教採の面接対策をしていたときのこと2
前回(教採の面接対策をしていたときのこと1 - 僕らの研究室)の続きになります。ただの日記です。
M下「俺も、長所と短所に困ってるんだよね」
M下くんの得意技は、ギャグでスベることです。可哀想なので本人には伝えていませんが、僕の研究室では有名な事実です。
そんなM下くんが困っています。
どうしたものでしょうか。
皆で少し考えて、M下くんの特性を活かしたよい案が出ました。
実際にやってもらいましょう。
面接官「では、あなたの長所と短所を教えてください」
M下「はい。私の長所は"面白いところ"です!」
面接官「では、何か面白いことをやってみせてください」
M下「(とてつもなく面白いはずのギャグ)」
面接官「・・・・・・。」
M下「・・・これが私の短所です」
面接官「(クスッ)」
M下くんの特性を最大限利用した、長所も短所も同時に伝えることができる最強の作戦です。
万が一「とてつもなく面白いはずのギャグ」が面白かった場合は、それがそのまま長所になりますから、短所は一応別で用意しておいた方がいいかもしれませんね。
この話の後も、いつものようにM下くんは研究室を賑やかにしてくれていました。
M下「(面白い予定だったギャグ)!!」
T嶋「(無言で作業を続ける)」
保護者「(上に同じ)」
僕「(上に同じ)」
O下「(考え事をしている)」
M下「・・・・・・。」
M下「クソ!今日はよくスベるな」
そういうのは聞き逃さない一同「今日 " は " ???」
M下「・・・・・・。」
今日も、僕らの研究室は平和です。
教採の面接対策をしていたときのこと1
T嶋「あー、長所と短所書くの難しいー」
僕の研究室には、今年教員採用試験を受ける人が4人います。
この日は、面接でよく聞かれることに関する返答を考えていました。
T嶋「俺、短所ないんだよねー」
保護者「それは短所だと思うよ」
T嶋「いやいや、短所だって自分でわかってるなら直してるし。」
それもそうです。余談ですが、T嶋くんは、最近ああ言えばこう言う面倒なやつになってきました。
『ああ言えばこう言う委員会終身名誉会長』である保護者くんが悪い影響を与えているのでしょう。
T嶋「長所。うーん。視野が広いことですとか?」
保護者「視野広いの?」
T嶋「さあ?」
僕「T嶋は視野広いと思うよ。サラダ好きだし。」
T嶋&保護者「???」
僕「草食動物って視野広いじゃん」
T嶋「確かに。って、いや、いやいや。草食動物は草食うけど、草食うからって草食動物とは限らないよ」
ツッコミどころそこかいとは思いましたが、スルーです。
僕「元から草食動物なのかもしれないよ」
T嶋「でも俺肉も食べるしなあ・・・」
真面目な顔で何を言ってるのでしょうか。
ここで、研究室にいることが珍しいO下くんが、このクソみたいな会話に参戦します。
O下「じゃあ、"肉を食べるので物事を多角的に見ることができます"って長所は?」
草食動物の目は横に、肉食動物の目は前についています。肉食動物の目のつき方は、目の前の獲物との距離を測ることに長けているという話を聞いたことがあります。
視野が狭い代わりに、獲物を立体的に見ることができるのです。これを、O下くんは上のように表現したのでしょう。流石、群の表現を専門にしているだけはあります。
T嶋「ってことは、草も肉も食う俺は、視野が広くてしかも物事を多角的に見ることができる!?」
僕「† 最強 †だね。」
T嶋「長所見つかったわ!ありがとう!」
T嶋くんは、来年も教員採用試験を頑張ります。
僕たちが発見した定理『不一致の定理』
それでは、解析学の講義を始めます。
起立。
礼。
よろしくお願いします。
着席。
皆さん、『一致の定理』はご存知ですね。通常なら幼稚園の年長さんくらいで扱う内容です。
本日の講義では、その『一致の定理』と対極にある定理を紹介します。
その名も、『不一致の定理』。
非常に有用で応用範囲も広いのですが、証明はとても難しく難解でdifficultでdifferentiableなため、この講義では省略します。
では、主張の紹介です。
たったこれだけを仮定することで、定義域上のすべての点において、2つの関数のとる値が異なることが言えてしまう恐ろしい定理です。
様々な応用が思い浮かびますね。
未解決問題の解決に役立つ可能性があると言えないことがないと言い切るのは難しそうです。
この定理が発見されたのは2020年の秋辺りだとされています。発表されるや否や、たちまちこの定理は脚光を浴び、今では次のような予想までされています。
定義域が一般の1点集合、終域が一般の集合の場合にまで拡張できるのではないかというものです。
これほどのことが言えてしまうなら、世の中のほとんどの問題は解決できるようなできないようなものです。
なんと恐ろしい。。。
それでは、本日の講義はここまで。
皆さんには、『不一致予想』の証明を課題とします。
お疲れ様でした。
僕が高校生の頃に使っていた「分散」の覚え方
データの分析。これは、僕が高校数学で扱う分野の中で一番といってよいほど好きでない分野です。
理由は、頭を使う部分が少ないからですかね。
時間だけかかる感じがどうも受け付けません。そう思っている人は、少なくとも僕の周りには多い印象です。
特に、分散や標準偏差、相関係数辺りを求めろと言われた時にはすべてのやる気がなくなります。
計算が比較的面倒なのもそうですが、そもそも相関係数とか求め方知らないんですよね。
模試のときやセンター試験本番では、毎回数IAの前にデータの分析の公式を見ていました。何回覚えても忘れるのです。多分、覚える気がないのでしょう。
そんな僕ですが、分散の求め方だけは覚えているのです。
(2乗の平均)ー(平均の2乗)
これで、分散が求められます。細かい状況設定は、空気を読んで補ってください。元々は少し違う形で与えられるのですが、僕はこれで覚えています。
高校1年生の僕は考えました。どうしたらこれを覚えられるか。
そして、(2乗の平均)ー(平均の2乗)から文字を抜き取って、『ニヘヘニ』と覚えることにしました。
しかし、当時の僕は考えます。
まず、ニヘヘニだけではこれらを引くのだったか足すのだったか忘れてしまいそうであるということ。
そして、引くことを覚えていたとしてもどちらからどちらを引くのだったか、すなわちニヘヘニだったかへニニへだったかがわからなくなりそうだということ。
今からすれば、どちらも悩む必要のないことです。分散の意味を考えれば2つを加えるわけがありませんし、ニヘヘニでもヘニニヘでも、出てきた値に絶対値を付ければ済む話です。
高校1年生から僕は数学を得意としていなかったので、ようわからんもんは暗記していました。
とりあえず、引くことを忘れないために、暗記の仕方を「ニヘヘニ」から「ニヘーヘニ」に変更しました。
しかし、これでもニヘーヘニなのかヘニーニヘなのかわからなくなります。
ニヘーヘニを紙に書いて、にらめっこします。
うーん・・・
・・・
はっ!!
ネコちゃんになるやん!!
このネコちゃんはヘニーニヘでは作れないので、間違えることはなさそうです。それ以来、『分散はネコちゃん』で覚えています。しかし、分散とネコちゃんになんの関連性もないため、あまりオススメできる覚え方ではありません。
ちなみに僕は塾で生徒にこれを教えたことがありますが、その生徒がこれで覚えてくれたかは不明です。
データの分析におけるその他の公式(定義)の覚え方は、高校生の頃には作っていない気がします。なぜ分散だけ覚えようと思ったのかも、もう覚えていません。
教採の勉強をしていて、ふと当時のことを思い出したので、記事にしました。ではまた。
【追記】元々僕が教えていた生徒で、今は一緒に働いている後輩がこの記事を読んだことを僕に伝えてくれました。
昔僕からこの分散の覚え方を教わったらしく、タイトルを見た瞬間「絶対ネコのことや!!」と思ったそうです。
そして、その後輩は今の生徒にこの覚え方を教えているそうです。ネコちゃんは受け継がれています。
こんなしょうもないことでも、教えたことを覚えてくれているというのは嬉しいものですね。追記でした。
ゆる〜くメンバー紹介
せっかくなので、僕のブログに出てくる人の簡単な紹介をここに書こうと思います。
記事を読むとき、名前に少しだけ色が付けばいいなと思います。
僕の研究室には、現在6人います。その中でこのブログに登場するであろう人物は次の4人です。
T嶋くん 研究室のムードメーカー的な存在。よく食べ、よく寝ます(特によく食べます)。研究室のソファには彼の毛布と枕(ぐ○たま)があります。深夜1時とかによく大学にいます。
しぃとくん 記事を書いている人、すなわち僕です。お菓子が好きで、部屋には常に大量のお菓子があります。あと、生き物が好きで、本を開きっぱなしにしてくれるザリガニが机にいます。
M下くん 毎回研究室に大量のお茶を搬入し、それを我々に50円で売ってくれます(お気持ちで、3回に1回は100円払うようにしています)。魔剤をよく飲んでいて、結構ずっと楽しそうです。
保護者くん 僕の保護者なのですが、その理由は機会があれば別の記事で書きます。基本的に、世の中のわからないことはこいつに聞いとけばどうにかなります。地図帳が友達で、漫画やアニメの知識は皆無です(ワンピー○の主人公の名前すらわかりません)。
この4人は全員代数が専門です。専門と言えるほど学んでないんですけどね。
研究室自体はゆるい空気でやっていて、僕と保護者はコーヒーを飲んで、それ以外は魔剤を飲んで、のんびり数学をしています。
ここには、新しい人物が登場するたび、(面倒でなければ)紹介を追加していこうと思います。隣の研究室にも愉快な仲間がたくさんいて、僕はよく遊びに行っているので、そちらで何かが起こるかもしれませんからね。
ひとまずはこの辺で。また。
TeXで、ドラえもんを作る!?
前回(新たな記号を生み出そう! - 僕らの研究室)、TeXでニコちゃんマークを作るということをしました。
これを見て、僕はあることを思いついてしまったのです。
「ドラえもんも作れるんじゃね?」
顔のパーツは単純なので、記号を組み合わせればできそうです。
それを聞くや否や、研究室メンバーのM下くんがホワイトボードにドラえもんを描き始めました。
M下「なんかちげえな」
一同「全然ちげえよ」
これでは苦労して絵描き歌を作った人もガッカリです。
これは僕が描いたものです。
少し違和感を覚えるかもしれませんが、これはTeXで作成することを念頭においたドラえもんです。
例えば、目は0と・を使えば再現できますし、鼻は角度を表す際に使う ° を使えばいけそうです。
輪郭は、絵描き歌通りにしてしまうと難しいので、小さなカッコと大きなカッコで再現しようと考えました。
ヒゲは、合同式で使う ≡ です。
さあ、あとは頑張れ!保護者くん!!
というわけで、あとはTeXマスターの保護者くんに丸投げです。僕も頑張れば作れるかもしれませんが、そんな暇ではありません。
丸投げしたその日の午後9時半過ぎ。研究室のグループラインに、保護者くんから画像が送られてきました。
保護者「試作その1です」
バケモンだ。
目を ∞ で手抜きしているのがよくないですね。やはり、片目ずつ作るべきです。
あと、口に ∈ を使っているのも無理がありますね。
改善の余地ありありです。
その後も、いくつも送られてきます。
中国製?
子どもが泣きます。
こいつは薬やってますね。
なかなか、可愛いものにはなりませんね。
ここで、僕がアドバイス。
そしてついに、ある程度完成品と言っていいドラえもんが出来ました。
それがこちらです。
おおっ!かなりドラえもん!!
それなりに可愛いです。保護者くん、よく頑張りました。
僕のくだらない思いつきに付き合ってくれてありがとう。
ちなみに使うことはありません。
コードはこんな感じでした。
これだけ打ち込んで、出てくるのはドラえもん1匹です。ふざけてます。
ということで、TeXで(保護者くんが)ドラえもん作ってみた、いかがだったでしょうか。
僕の研究室では、日頃からこんなことばかりしています。幸せです。また何かしらあると思うので、別の記事で会いましょう。
では。
新たな記号を生み出そう!
研究室で、写像に使う記号について話していました。
このブログの読者は、大学以降に数学を学んでいない人も想定していますので、まずは簡単に写像の説明をしておきますね。
???「なんすか写像って」
???「ダメだこれ笑」
写像とは、簡単に言うと集合から集合への対応規則のことです。
関数という言葉は聞いたことがある人がほとんどなのではないでしょうか。関数は写像の一部です。
このような表記には見覚えがあるでしょう。
この関数のxに1を代入すると、6になります。2を入れると、11を返します。
このように、始集合(定義域)の元を1つ選ぶと、それに対して終集合の元を1つ返すようなものを「写像」というのです。
上の画像は、その規則に f という名前を付けているという状態です。
大学生は、写像を次のように書きます。
Aが始集合でBが終集合です。
特に数の集合に値をとる場合に、その写像を「関数」と呼ぶのです。
とまあ、一応説明しましたが忘れてもらって結構です。
さて、話を戻します。上では f という記号を使いました。高校でそうだったように、大学以降の数学でも写像の名前として f や g はよく使われます。
そして、それと同じくらい φ(ファイ)や ψ(プサイ)も使います(専門によるかもしれませんが)。
ここで問題が発生するのです。
記号が少ない。
写像に名前をつけるとき、f , g の次には h が待っています。それでも足りなければ w を使うでしょうか。
φ と ψ を使ってしまったら、この次に必要になったときに困るのです。
π は自然な全射で使いたい特別な記号(個人的な意見です)ですし、
ρ や τ は少し毛色が違います(個人的な意見です)。
α や β も、やはりなんか違います(個人)。
どうしましょう?
と、些細な悩みを抱いたまま、特によい案が思いつくこともなく、長い間数学をやってきました。
そんなある日、研究室メンバーのT嶋くんがあることを思いついたのです。
T嶋「ニコちゃんマークで写像を書くのは?」
😀←こんなマークということですね。
T嶋くんは僕の研究室のムードメーカー的な存在で、突飛なことをよく思いつきます。 しかし、その突飛さが数学で発揮されることはありません。
彼の言い分は、色んな表情で写像を表せるので、記号不足を解消できるのではというものです。
これは手書きの上では問題ありません。
しかし、我々にとって「使える」とは、授業レポートや資料作成、論文を書く際に「使える」という意味です。
つまり、TeXで打ち込むことが出来ないものは「使える」とは言えないのです。
TeX(テフ)とは、簡単に言えば数式を含む文章を綺麗に作るソフトのことです。上の関数や写像の画像は、TeXで作成したものです。数学の論文等は、これを使って作成します。
ここから我々は、TeXを用いて写像をニコちゃんマークで表すことを始めます。
我々と言っても、やるのは僕と保護者くんです。
僕は大学2年生の頃からTeXで教科書のようなものをよく作っていましたし、保護者くんもその手伝いをかなりしてくれていましたから、人一倍TeXには詳しいのです。
特に保護者くんは、T嶋くんに
「TeXの先生にでもなりたいの?」
と言われるくらい詳しいので、まあ正直僕は必要ないかもしれません。
案としては、:) という海外でよく見られる記号を90°時計回りに回転するという物が出ました。
TeXの自由度は恐ろしいほどに高く、やりたいと思ったことは大抵できます。流石の僕も文章中の文字を回転するコマンドは覚えていませんが、調べればあるだろうとは思っていました。そして、実際にありました。
:(コロン)を使うと目が小さいということや、写像が下すぎるということなど、いくつか問題はありましたが、それほど苦労することなくニコちゃんマークができました。こんな感じです。
想像とだいぶ違ったらごめんなさい。たったこれだけでも、打ち込むコマンドは次の通りです。
TeXを知らない人も、面倒くさそうだということは伝わるでしょう。
こんなに打ち込んで、出てくるのがニコちゃん1つです。
さて、これを元に他の顔も作りましょうか。
僕は「オコちゃんマーク」と呼ぶのですが、生みの親であるT嶋くんは「しかめっつら」と呼ぶのでそちらでいきます。
f(x)は「エフエックス」と読みますが、上の記号を使ったときは「しかめっつらエックス」と読むことになります。なげえ。
これを使って写像の書き方をしてみるとこんな感じ。
見づらい。
関数がいくつか出てくる高校数学の問題文を、関数を上の記号に変えて書いてみると、こんな感じ。
これは酷い。
というわけで、今後使うことは多分ありませんが、作るのも使ってみるのも少しだけ楽しかったのでよしとしておきます。
実はこの話には少しだけ続きがあって、次回にそれを書こうと思います。
ではまた。