僕らの研究室

僕らの日常を書きます。

音声で解く数学!?

ある日、僕たちは次のような遊びを思いつきました。

機械に数学の問題を読ませて、 それを解いてみたい。

人間が(誤読の恐れがないように)問題文を読み上げるのであれば、それは難易度こそ通常よりは上がるものの、よほど長い文でない限りは解くことができそうです。

機械だと何が困るか?

より具体的には、Microsoft edgeの読み上げ機能を用いるわけですが、これだと何が困るか?

こいつ、読めない記号があるんですよね。

サンプルを置いておきますね。

読み上げサンプル - YouTube

YouTube経由ですみません。10秒くらいの動画です。

上のサンプルでは2つのテキストを読ませています。1つ目はこれです。

まあ、人間が伝わるように読むと

「絶対値始まりマイナス2絶対値終わりプラス3分の1」

みたいな感じですかね。

動画の再生が面倒だった人のために文字で書くと、動画の前半では上の式を

「パイプ(?)、にパイププラスいちさん」

と読み上げています。

マイナスが読まれていないのと分数の読まれ方が絶望的なんです。いちさんて。

しかし絶望はまだ終わりません。動画の後半では次の式を読ませました。

先ほどの式の前に「x+」を付けただけです。

それなのに読み上げの音声では3分の1が「13(じゅうさん)」と読まれています。

なんでさっきと違うねん。

このように、機械音声によって読み上げられたものを聞いた後には「何が読まれなかったか?」とか「こう読まれたけど多分こういうことなんだろうな」みたいな、推測のフェーズがあるんです。

ここがこの遊びの面白いところです。

ということで、実際に研究室の仲間たちに出題したので以下にはそのときの様子を書こうと思います。

中々文字では臨場感が伝わらないと思いますが、その辺はなんかこう、お願いします。

全部で3問やったのですが、3問目は僕がふざけたせいで答えが綺麗な数値でない問題になってしまったので、記事にはしないことにします。1問目と2問目のみ、お楽しみください。


まず1問目。音声のみの動画を置いておきます。再生してみてください。

問題1→音声で解く数学① - YouTube

研究室の仲間たちに出したそのままを再生しているので、遊び心で余計な文言があります。ごめんなさい。

さて、また動画再生が億劫な人のために読み上げられたものをなんとなく文字に起こしておきます。大体こんな感じです。

「方程式えっくす、つーにぷらす、わいわん、にいこーるよんで与えられる円の半径と中心は?」

これはかなり易しく作りました。以下、出題された保護者くん、M下くん、O下くんの会話です。解く様子をご覧ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

保護者「円の方程式を読み上げてるんだろうね」

M下「xとyと=4は聞き取れたな」

O下「多分半径は2だから、中心の座標を求めようか」

M下「『えっくす、つーにぷらす』って言ってるよな。多分この『つー』ってのは2のことなんだろうな」

保護者「多分(x-a)2+(y-b)2=r2みたいな形で書かれたものを読み上げていて、カッコとか2乗がちゃんと読まれてないんだろうね」

M下「そうだな。『つーにぷらす、わいわん』って読まれてるから、この『ぷらす』の直前までが(x-a)2の部分を表してるんじゃないか?」

保護者「『つー』と『に』で2回2が出てきてると思うから、後ろの『に』は2乗をそのまま読んじゃってるのかな?」

M下「ってことは、前半は(x?2)2の形か。あとは?の部分がプラスかマイナスかだけど」

O下「『つーにぷらす』って読むってことは、こいつは+(プラス)は読めるはずだから、何も読まれてないってことは?に入るのは-(マイナス)なんじゃない?」

M下「確かに!ってことは、後ろの『わいわん、に』ってのは(y-1)2か!」

保護者「だね」

一同「答えは、半径2、中心(2,1)!」

僕「正解」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

読み上げたのは次の文でした。

プラスは読まれて、マイナスは読まれないというところに気がついたのは流石です。想定通りの解き方をしてくれました。僕も出題加減が上手いです。

楽しくなってきました。研究室の仲間たちも目を輝かせて第2問を待っています。


というわけで、次の問題です。自分で1つ答えを出してから解説を見ると面白いかもしれません(そのときは、文字ではなく音声でないと解けません)。

問題2→音声で解く数学② - YouTube

文字に起こすとこんな感じです。

「次の式を計算しなさい。答えは、整数で答えなさい。

ろくてんにぷらすろくてんふぁいぶ、かけるさん」

小学生でも解けそうな問題です。

しかしまあ、彼らは中々に苦労していました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

M下「普通に6.2+6.5×3だったら整数にならないから、どっかにカッコがあるんだろうな」

O下「でも、どこにカッコつけても上手くいかないように感じるね」

M下「(6.2+6.5)×3も6.2+(6.5×3)もダメだな」

保護者「怖いこと思いついちゃったんだけどさ」

M下「なに?」

保護者「ガウス記号が入ってるのに読まれてないんじゃない……?」

O下「それはヤバすぎる!!」

保護者「(僕を見ながら)こいつならやりそう」

M下「『ふぁいぶ』の後のスペースが若干気になるから、ここにカッコか何かきてるんじゃないか?」

O下「ってことは、×3の直前までカッコもしくはガウス記号があるってことか」

M下「×3の前まではスムーズに読まれてる気がするから、カッコの始まりは頭なんじゃないか?」

保護者「なら、[6.2+6.5]×3ってことかな?」

O下「そうなのかなあ」

M下「わからん、これでいこう」

保護者「[6.2+6.5]=[12.7]=12だから、それを3倍して」

一同「答えは36!」

僕「残念。答えは3でした」

一同「は!?!?」

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読み上げたのは次の文でした。

『6.2』だと思っていたものは、じつは『ログ10(テン)2』だったのです。

これは聞き間違えても仕方ないですよね。 音声数学特有のキモさが出ています。

全く別方向に議論が進んでいく様子を見て、ずっとニヤニヤしていました。

答えを聞いて悔しそうな彼らの姿は今でも忘れられません。

まあ、6.2や6.5にガウス記号をつけた場合には読み上げで

[6.2]+[6.5]×3

[6.2+6.5]×3

[6.2+6.5×3]

の区別が難しく答えが定まりにくいことから、そんなことはしないだろうと推理してほしいものです。

2問目は不正解に終わりました。


焼却することにした第3問は、問題だけ置いておくことにします。答えが汚いことを除けば、音声数学特有のギミックを味わうことができるので、悪い問題ではありません。死ぬほど暇だったらやってみてください。

問題3→音声で解く数学③ - YouTube


いかがだったでしょうか。

誰のためにもならないと思いますが音声数学の作問のコツを書いておくと、

・問題文をできるだけ短くする

・見れば簡単に解ける程度の難易度にする

・求めるべきものは明確にする(「整数値で答えよ」などの文言を入れる)

・推測の余地を残す(ここが最重要!)

あたりでしょうか。

よかったら友達と遊んでみてください。


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多分、学生最後の更新になります。

それほどたくさんの記事を書くことはできませんでしたが、読んだ人がちょいちょい「面白かった」「あれ割と好き」などと声をかけてくれるのがとても嬉しかったです。

僕らの研究室はお終いですが、僕は文章を書くことが好きなので気が向けば更新するかもしれません。

時間があったら、また読んでやってください。

ありがとうございました。

ではでは!!

名前がすべてズレた世界?

研究室で仲間とぼーっと駄弁っていたときのお話です。数学科でない人もこの記事を読むと思うので、噛み砕いた表現を含みます。


「集合」というものは多くの人が高校で学んだと思います。とりあえずここでは「何かしらものの集まり」と思っておいてください。

例えば「コップ」「水」「本」というものを集めたら、それで集合と考えることができます。数学のような書き方をすれば、

{コップ,水,本}

みたいになりますね。これを高校では外延的記法と言ったりしました。

このコップや水や本の1つ1つのことを「要素」や「元(げん)」と呼ぶのでした。

集合からいくつか元を取り出すとそれらでまた集合をつくることができるわけですが、そういうものを部分集合と呼ぶのでした。例えば

A={コップ,水,本}, B={コップ,水}

ならばBはAの部分集合ということになります。

Aのような要素の個数が有限個であるような集合のことを「有限集合」と言ったりしますが、 要素の個数が無限であるような集合を考えることもでき、それを「無限集合」と言います。例えば,自然数全体や整数全体、実数全体などは無限集合です。

無限集合は{コップ,水,本}のように要素をすべて書き並べることができないので、

{n|nは自然数

みたいに書きます。誤解がなければ

{1,2,3,…}(…はこの後ずっと続くという意味)

のように書いてもいいでしょう。


さて、何かしらの集合があれば、そこに順序を入れることができそうです。

「順序を入れる」と言われると何やら難しく聞こえますが、つまりは「要素と要素の間に上下関係をつけてあげる」ということです。

会社があれば、そこには上下関係があるでしょう。例えば次のような集合

{平社員,部長,社長}

には平社員の方が部長より下で、部長の方が社長より下で、という風に順序を入れることができます。 <という記号を使って

平社員<部長

のように書いても意味は通じるでしょう。

数の集合ならば、1<2<5みたいな順序が(普段から当たり前に)入っていますね。

もちろん集合に入れる順序は自分で好きにしてよいので、平社員>社長という順序を考えても今は問題はありません。会社では怒られると思います。

このように、集合に順序が入っている集合のことを順序集合と言います。


ここまでが小学校でやったことの復習です。大学では「整列可能定理」という凄い定理を勉強します。

整列可能定理】任意の集合は、適当な順序を入れて整列集合にできる。

というものです。やはりよくわかりませんから、日常的な言葉で言い換えると「どんな集合も、要素と要素の間に上下関係を入れて1列に並べることができる」くらいでしょうか。

厳密にはこれは少しヤバい説明なので、数学科の人はきちんとした定義で理解してくださいね。

例えば、会社の中で同じ平社員でも、「立場が同じなら誕生日が早い方が偉い」という上下関係を入れることができます。

一見すると当たり前のように思える定理ですが、これが「当たり前でないと感じる」のには多少の訓練が必要なのでここでは説明しないことにします。

ともかく、ここではどんな集合にも順番が考えられると思っておいてくれるだけで大丈夫です。


ようやく本題です。

研究室でぼーっとしていたある日、僕はこんなことを考えていました。

「この世の万物を整列可能定理で並べて、その名前を1つズラした世界を考えたら頭が痛くなりそう」

自分でも何考えてるのか意味不明なのですが、つまりは次のようなことです。

まず、「この世のありとあらゆるものを集めた集合」を考えます。コップ、水、iPadティッシュ、電気、酸素、ホワイトボード、マウス、ノートパソコン、コンセント、ケーブル、ホッチキス、ボールペン、、、ありとあらゆるものを集めます。

この集合を「万物の集合」と呼ぶことにします。

この時点で数学科の人からはツッコミが入ってほしいのですが、それは最後に触れることにしましょう。今触れるのは野暮ってやつです。

そして整列可能定理を適用することによって、その万物の集合に順番が入ります

例えば、ノートパソコン<マウス<水といった具合です。万物が1列に並んでいる様子を思い浮かべてください。自然数のように並んでいる様子を思い浮かべるのがわかりやすいです。

1列に並んだ全てのものには名前があります。

その名前を1つ隣にズラします。

つまり、

ペン<消しゴム<マウス<水

のように並んでいたなら、消しゴムの名前はペンになり、マウスの名前は消しゴムになり、水の名前はマウスになります。

頭が痛くなってきたでしょ?

友達に

「ちょっとペンとってよ」

と言われれば僕が渡すのは消しゴムだったものです。

「ちょ、書きたいんですけど!?」

と怒られるのが容易に想像できます。

しかし、「書く」という概念も万物の集合に含まれているため、「書く」は例えば「愛してる」に置き換わります。

想像してみてください。

「ペンとってよ」

(消しゴムを渡す)

「愛してる!!」

クソカオスです。

これが僕が作りたかった世界です。 数学って面白いですね。

「今日は晴れだね」

と言いながら外は台風。

「蚊に刺された!」

と言いながら誕生日プレゼントを渡す。

「あんたとは離婚よ!」

と言いながらお婆ちゃんの荷物を持ってあげる。

世界の終わりです。


こんなことをぼーっとしてるときに考えちゃうんですから、数学なんてやるもんじゃありません。


さて、数学科の人はさておき、普通の人でも気になるであろうところが1点。

名前を1つずつズラしたのなら、最初の1個はどうなる?

というところです。

1<2<3<4<・・・

については4は3に置き換わり、3は2に置き換わり、2は1に置き換わるわけですが

1は何になるの?

という疑問が残ります。これに対する明確な答えを用意しているわけではないので、

1という概念は消滅する

ということにします。消滅させる概念(最初の1個)は好きに選べますが、どの道存在しない概念は認識することすらできませんから、問題は生じないというわけです(暴論)。

例えば、人間の感情が喜怒哀楽しかないとすれば、それは元々あった何かから減って喜怒哀楽になったのかもしれないと考えられますが、それが何だったのか、そもそもあったのかなかったのか、そんなことを我々は認識することはできません。そういうことです。


いかがだったでしょうか。万物の名前がすべてズレた世界、素敵だとは思いませんか。

もしかしたら僕たちの世界は、既に名前がズレた世界なのかもしれません。

それではまた。




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以下では数学科の人からツッコミが入りそうな部分について軽く補足しましょう。少し内容が難しいので、読む必要はありませんよ。

まず、整列集合のイメージとして、綺麗に最小元から1列に並んだイメージはマズいです。例えば

{(1,1),(1,2),(1,3),…,(2,1),(2,2),(2,3),…,(3,1),…}

などは上の並びで容易に順序を入れることができてかつ任意の部分集合が最小元を持ちますが、例えば(2,1)には前者がありません。

並べた後に1つズラすということは、自身の名前が前者の名前になるということですが、前者が存在しないのでそのように定めることができません。

ズラすのを逆にする、つまり自身の名前を後者の名前に置き換えるということも考えられますが、すると今度は(2,1)の名前がどこかへいってしまいます。 いずれにせよ、犠牲は払わなくてはなりません。

そして、どちらにズラすにしろ万物が上に書いたような集合であった場合には最初の1個(つまり、全体の最小元)だけの犠牲にとどまらず、(2,1)や(3,1)の犠牲が付き纏います。

整列可能定理が威力を発揮するのは連続体濃度の集合に対しても並べられちゃう(それはつまり選択公理!)ということで、可算ならばそもそも話はここまでややこしくなりません。万物の集合は連続体濃度以上でしょうから、万物から非可算無限個の名前が消えてしまうことになります。

つまり、この世のほとんどのものには名前がついていないことになります。

その一方で、それと全く同じ濃度の分だけ名前がつくはずでもあります。どんな世界になるのか、興味深いですね。


さて、以上の議論が本当に無意味だったということを最後に書きましょう。

「万物の集合を考える」と書いた時点で、数学科の人からは鋭いツッコミがあったことと思います。

「万物の全体は集合にならん」

ということです。

万物の全体の集合をXとすると、カントールによればXと2Xが対等ではないにもかかわらず、2Xの濃度≦Xの濃度(2XはXの部分集合となるので)が言えてしまい、矛盾します。

間違ってたらごめんなさい。

TeXで解く入試数学

2021年、一橋大学の入試で、次のような問題が出題されました。

1000以下の素数は250個以下であることを示せ。

この問題を見た受験生はこう思ったことでしょう。

「1000以下の素数を全部書き出せばいい」

この問題は、たったこれだけのことです。実際に解答を作成すると、次のようになります。

素数の定義さえ知っていれば小学生でも解ける問題です。なぜ天下の一橋大学がこのような問題を出題したのか。理解しがたいですね。


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さて、茶番はこのくらいにしておきましょう。

皆さん、TeXはご存知ですよね。僕のブログでは過去に何度も登場していますが、要は数式を含む文書を綺麗に作成するもののことです。

以下、数学科の人などにとっては「そんなの知ってるよ!」という説明がいくらかあると思いますが、どうかお付き合いください。また、専門的な用語が出てくることがありますが、わからない人は読み飛ばしていただいて大丈夫です。

今一度上の画像を貼ります。

問題のタイトルはこの記事のものにしておきました。

画像を見ていただければわかる通り、この解答では1000以下の素数をすべてかき出しています。

「全部打つの大変だったねー」という感想が聞こえてきそうですが、じつはこれ、自分で2,3,5,…と打ち込んでいるわけではないのです。

"TeXは文書を作成するもの"と認識している人は少なくないと思っています。\sumと打てばΣ(シグマ)を出力してくれて、\alphaと打てばα(アルファ)を出力してくれる。このような、直接見た目に変化をもたらすものを扱うことがほとんどです。

しかし、その内部では様々なことを理解し、実行してくれています。例えばカウンター。align環境などは自動で式番号を振ってくれますが、TeXは現在の式番号をきちんと覚えていて、次の番号へいくときにはカウンターを1進めて出力するということを行っています。

また、TeXで作成した文書が美しいのも、TeXが行ごとに並べる文字数を決め、その行の文字と文字の間隔を適切に決めてくれているからです。

わかりやすく言えば、TeXは空気を読んでくれるのです。だから、綺麗な文書が簡単につくれるのです。

というわけで、TeXは立派なプログラミングなのです。もちろん、計算に広く用いられている言語たちに比べると、TeXにできることはないといってもよいほど些細ですが、それでも1000以下の素数を見つけきるくらいのことはできます。

ちなみに10000程度で計算に死ぬほど時間がかかります。あまり無理をさせてはいけません。

さて、少し長くなりましたが、素数を見つけるコマンドのソースを公開します。なお、作成者は僕ではなく保護者くんです。このくだらない記事のために15分ほどかけてつくってくれました。

以下をプリアンブルにかきます。画像が2枚になってしまったのはごめんなさい。

細かい説明は後にしますね。本文は次のようになっています。

question環境やkaitou環境は僕が勝手につくったものなので、このままこれを写してもエラーを吐きます。記事の最後に、PCで閲覧してる人に向けてコピペできる形で自作のパッケージを取り除いたソースを残します。

まあ、誰が使うねんこんなもんって感じですけど。

では、軽く解説していきますね。見る人が見ればわかると思うので、そういった人は読まなくてOKです。

まず大まかに説明します。Aを変数と思って、Aに2から1000まで順に代入していくことを考えます。初めはA=2です。このAに対して、2からA-1までの数で割り切れるかを判定しています。割り切れればAは素数ではないということなので、Aの値を1増やします。2からA-1のどの数でもAを割り切れなければ、Aは素数です。その値を出力して、Aの値を1増やし、次のAに対して同じことを行います。これを1000まで繰り返します。これが、素数を出力しきるアルゴリズムです。

ちなみに、素数を出力するたびに値を1増やすカウンターを用意しているので、「個数は168個である」の部分もそのカウンターの値を出力するだけです。

細かい話をしていきます。素数の間の, (カンマ)は、3以上の素数の直前に出るようになっています。素数を出力してから, を出すようにするには、最後の素数が最後のものであることを取得しなければなりません。そうしないと、上で997の後にも, が出てしまいます。997が1000以下の最後の素数であることを判定するにはそれなりの手間がかかるので、先に, をかいてから数を出力するようにしています。

それから、上では単に「割り切れるかどうかを見る」というふうにかきましたが、TeXには割り切れるかどうかを判断する能力はありません(少なくとも、私は知りません)。しかし、「ある数がある数に等しいかどうかを見る」ということはTeXにもできます。また、レジスタに対して四則演算を施すこともできます。

しかし、これだけでは素数判定はできません。ここで、TeXのある機能を逆手にとります。 これがこのプログラムの肝といってもよいでしょう。

TeXは、カウンターレジスタのような整数値のみをとるレジスタに対して割り算を行ったとき、その計算結果では少数を切り捨てるのです。だから、4を2で割ると2ですが、5を2で割っても2なのです。ということは、割り切れるかどうかは「割るときに使った数を割った結果に掛けて元に戻るかを見ればよい」ということになります。

以上がソースコードの解説になります。


いかがだったでしょうか。後半は読者の大半を置いてけぼりにしてしまったような気がしますが、たまにはこのような記事もよいでしょう。

最後にソースコードを貼っておきますから、興味があれば遊んでみてください。

ではでは!!

※改行がイカれてる可能性があります。適宜空気を読んで直していただければと思います。

\documentclass[dvipdfmx,12pt]{jsarticle} \makeatletter \newif\ifSOSUU \newif\ifTWO \SOSUUtrue \newcount\@tempcntc \newcount\@tempcntd \newcount\@tempcnte \newcommand{\sosuu}[1]{% #1以下の素数は, \TWOtrue \@tempcnta\@ne \@tempcntc\z@ \@whilenum\@tempcnta<#1\relax \do{% \advance\@tempcnta\@ne \@tempcntd\@tempcnta \@tempcntb\@ne \@tempcnte\@tempcnta \advance\@tempcnte-\@ne \@whilenum\@tempcntb<\@tempcnte\relax \do{% \advance\@tempcntb\@ne \divide\@tempcnta\@tempcntb \multiply\@tempcnta\@tempcntb \ifnum\@tempcnta=\@tempcntd\relax \SOSUUfalse \fi \@tempcnta\@tempcntd }% \ifSOSUU \advance\@tempcntc\@ne \ifTWO\TWOfalse\else, \fi \the\@tempcnta \fi \SOSUUtrue }% であり,個数は\the\@tempcntc 個である. } \makeatother %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%ここから本文%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \begin{document} \noindent 【\textbf{\TeX で解く入試数学}】\par 1000以下の素数は250個以下であることを示せ.\par \noindent 【\textbf{解答}】 \sosuu{1000}% これで示せた. \end{document}

教採対策あるある

これを書いている今は2022年6月10日。

2022年になって最初の投稿になります。

あけましておめでとうございます。

じつは今年に入ってから何度も記事を書こうとしたのですが、なんやかんやあって公開されることはありませんでした。

というわけで、下書きには5つほど「あけましておめでとうございます」から始まる記事があります。

教採対策の時期がやってきました。

僕含め僕の周りには教員志望の人が多いので、研究室は僕のところも隣も教採対策モードです。

ということで、タイトルの通り今回は、教採対策をする中でのあるあるをいくつか書こうと思います。

共感してもらえる部分は少ないかもしれませんが、暇つぶしにどうぞ。では、参ります。

あるある1:教採対策ブログめっちゃ見る

これはもう間違いないでしょう。教採受験生なら目から血が出るほど見ます。

記事もよいのですが、なんと言ってもYouTubeにあるおまとめプリントの解説動画が素晴らしい。

要点は絞られているし、先生の解説もわかりやすい。

なんか宣伝みたいになってますね。

あるある2:教採対策ブログの動画、最初の挨拶でどの回かわかる

あるあるとまでは言えないかもしれませんが、解説動画を画面が割れるほど見た僕はこの域に達しました。なんなら台詞を同時に言えるまであります。

教採対策で友人と教職教養の問題を出し合っているときには、「教採対策ブログの人が言ってた」が僕らの口癖になっていました。

宣伝してるわけではないですよ。

あるある3:教採対策ブログの人どんな人なんかな〜って思って顔見たら割と思った通りの顔

先生って感じの人です。ありがとうございます。

あるある4:一般教養ムズすぎ

「○○という本が出版されたのは何年前?」

みたいな問題が出ます。うん○こです。誰がわかるねん。

あるある5:模擬授業でどうでもいい日付書きがち

1月1日に授業するヤバい先生もいます。

あるある6:普段皆で勉強してるのにハブられたとき自分がいない間に何してたか細かく聞きがち

差をつけられたくないので。

あるある7:勉強せずにYouTube見てる友人見て安心する

差をつけられるので。

あるある8:試験1週間前むしろ遊びがち

直前は何してもあまり変わらないですから。

あるある9:大事な情報は一緒に受ける知人には隠しがち

友人ではなく、知人であるところがポイントです。

あるある10:結局公共の精神って何かわからん

わからん。

あるある11:『文部科学大臣』答えにならないがち

意外とこの人が答えになる問題少ないんですよね。

あるある12:面接練習のときの友達厳しすぎ

やられたらやり返す。

あるある13:高校の頃使ってた問題集のレベルちょうどよすぎ

クリア○とか重要問題○とかですね。

あるある14:積分計算しきれないがち

頼む。回転するな。

あるある15:試験前日ラーメン食いがち

美味すぎる。

あるある16:試験本番、同じ教室に女子いると嬉しいがち

数学する女子はいいぞ。



それではまた。

パルキアって、ディアルガより強くね?

T嶋「パルキアってディアルガより強いよね」

僕「多分戦ったらディアルガが勝つけど」

T嶋「ディアルガは時間を司るじゃん。でも、パルキアは " 空間 " を司るんだよ」

僕「というと?」

T嶋「ベクトル空間のようなものと考えると」

僕「なるほど、次元で比べるのね。ディアルガが関与できるのは時間という1次元のものだけど、パルキアはn次元の空間に関与できると考えたらパルキアの方が上かもね。ディアルガ大したことないやん」

T嶋「多項式だったら、ディアルガは2回微分されたらおしまいだし」

僕「ディアルガ大したことないやん」

T嶋「しかもディアルガときのほうこう撃つと反動あるけど、パルキアないからね。なんでか知らんけど」

僕「パルキアは両肩で玉が2つあるから、じつは反動はあるんだけど、右撃って休ませてる間に左で撃てるんじゃね?」

T嶋「なるほど、だからあくうせつだんには反動がないのか。ダイヤモンド買お」

僕「ポケモン楽しみだね」

『人』という字は人と人とが支え合っているというけど・・・

ただの雑談の記録です。

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T嶋「『人』という字は人と人とが支え合っているって言うけど、長い方は楽してるから支え合ってはないよね」

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保護者「長い方があるかは字体によるけどね。ケータイで打つと、長さは等しいよ」

僕「それよく聞く話だけどさ、実際は支え合ってるよね。長い方が無くなったら短い方倒れるし」

保護者「『支え合っている』ってのは、割合の話をしてるわけじゃないからね。長い方がいくら楽でも、0になったときに短い方が倒れるんじゃ、支え合っているということに嘘はないね」

僕「それに、一概に短い方が辛いとは言えないかもね。長い方めちゃくちゃ軽いかもしれないし。軽すぎたら短い方倒れるけど」

T嶋「それは摩擦係数によるんじゃない。接してる部分全部の摩擦係数が1だったら倒れないよ」

保護者「難しいね」

僕「支え合って生きていこうよ」

鬼舞辻無惨って数学やればよくね?

ただの雑談の記録です。

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僕「鬼滅の刃のさ、鬼舞辻無惨ってさ、間違えないんだよね」

T嶋「私は何も間違えないって言ってるしね」

僕「あいつ、数学やればよくね?」

T嶋「確かに。あいつがやると全部正しいもんね」

僕「いいなあ」

T嶋「鬼舞辻無惨って、背理法使えなくね?」

僕「確かに。背理法って、最後に仮定が間違いだったって言うもんね」

T嶋「√2が無理数なことどうやって示すんだろ」

T嶋「でもさ、今の時代、間違えないより間違えてもすぐ修正できますの方が求められてるよね」

僕「どこに着地するつもりなのこの話」

T嶋「就活の面接でさ、私は間違えませんって言った人とりたいと思う?」

僕「間違えないんだったらとればよくね」

T嶋「間違えないことを証明できないじゃん」

僕「その場で、間違えたことを修正できることを証明するのも難しそうだよね」

T嶋「まあそれはそうか」

保護者「とりあえずその2つだったら間違えても修正できますって言っとくのがいいよね。間違えない人は『間違えたとき』のことは何を言っても真だから」

T嶋「確かに」

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M下「鬼殺隊の人って、鬼いなくなったら仕事なくなるよね」

僕「あの人たち色々人間離れしてるから、いくらでも仕事あると思うよ」

M下「格闘技の世界大会とかか」

T嶋「あいつら、刀持ってれば強いけど、普通に喧嘩しても強いのかな」

僕「そりゃ強いでしょ。そもそも、あいつら刀で岩切れるくらいの腕力はあるわけだし」

T嶋「刀がめちゃくちゃよく切れるんじゃない?刃の部分の面積が限りなく0に近いとか」

僕「でも某黄猿さんが『速度は重さ』とか言ってるし、しのぶさんのパンチでもボクシング世界チャンプのパンチより重いんじゃない?」

T嶋「でも、元々普通の人間の悲鳴嶼さんでも鬼ボコれてたから、世界チャンピオンくらいなら結構強いパンチ出せそうな気がするけど」

僕「あの人は、強いからね」

T嶋「悲鳴嶼さんは強い」

M下「悲鳴嶼さんは強い」